エンジニアリング組織論への招待 Chapter 5.技術組織の力学とアーキテクチャ
「組織」という単位における「不確実性の削減」
5-4.取引コストと技術組織
プロダクト開発を行うにあたって、内部のリソースで行うべきか、外部のリソース(外注)を使うべきか
「取引コスト理論」を用いて、何を内部化し、何を外部化すべきか
取引コスト理論
探索のコスト
取引相手を見つけるために支払うコスト
交渉のコスト
取引相手と交渉を行うために発生するコスト
監督のコスト
取引相手が契約した取引を履行するように監督と矯正を行うコスト
取引コスト
ある経営上のリソースを市場から手に入れるためにかかるコスト
内部化コスト
企業内部に構築するコスト
内部コスト > 取引コスト => 企業外部から調達
内部コスト < 取引コスト => 企業内部に構築
システム外注における取引コスト
探索のコスト
外注先選定にかかるコスト
交渉のコスト
外注先とどのような契約条件で、契約を行うのかを決めるために必要なコスト
監督のコスト
作成されたプロダクトの品質を監督し、クオリティの維持がなされていることを検収したり、外注先をマネジメントするコスト
「発注者能力」がなければシステム外注はうまくいかないといわれるのは、上記の取引コストが増大してしまい、莫大な金額を費やしてもシステムが完成しない
ホールドアップ問題
すべてのシステムを外注先に委ねており、その取引コストを支払うことができていなかった場合、発注元と外注先の限定合理性がずれる
社内における取引コスト
企業全体で考えると、本来は無駄をなくそうとして始めたはずの管理会計であったにもかかわらず、多くの固定費を支払うことになります。そして、関係調整ばかりしているような状態で、無駄の多い組織になっていくのです。
これ「あるあるだな」と感じてしまった。自社にIT部門を抱えているにも関わらず、お互いが別の会社として取引を行うため、取引コストが生じてしまっているmeganii.icon